今は克服していますが、私は結構重度のアトピー体質です。
若い頃に発症しまして、皮膚科に行って言われたもんです。
「原因は分からない、アトピーというのは原因が不明という意味なんだよ」って(汗
原因が分からないから対症療法しかできないとも・・・
そう、かゆみと炎症を抑えるための塗り薬を処方されました。
そう、アトピー勢の永遠の敵「ステロイド製剤」です!
あの壮絶なかゆみに夜も寝れぬほど苦しんだワタクシはすがるような思いでヒマがあれば患部に「ステロイド製剤」をぬりぬりしていました。
そして、多くの人のお察しの通り、見事に患部は広がって行きました・・・
またまた、同じ皮膚科に行って訴えました。
「よくなるどころか患部が広がっているし、かゆみは強くなっています!」
すると皮膚科医はこう返します。
「では、もう少し強めのお薬を出しましょう」
それをぬりぬり→悪化→診察→より強力な薬を処方→ぬりぬり→悪化
何周か繰り返したのちに季節が少し涼しくなったため症状が治まったのでその皮膚科には行かなくなりました。
その頃の私の状態は両腕の内側(上腕から前腕まで)、首筋、背中、腹部まで炎症が広がっていました。
最初に皮膚科を受診した際は左肘の内側だけだったのに、ほんの数カ月でひどくなったもんです。
その後数年間、ジメジメする梅雨時から晩秋までかゆみに悩まされて、別の皮膚科に行ったり、薬局でかゆみ止めを買い求めたり、怪しげな民間療法を試したりしてきました。
発症後数年してから、「ステロイド製剤」は常用しているとアトピーの患部が広がり、症状が悪化する」ということを知りました。
それからは多くのアトピー勢と同じように「ステロイド製剤」断ちを行い、ひたすらかゆいのをガマンしました。
ただ、寝ている時は抑制が効かないので掻きむしってしまい、朝には肌がボロボロ、血まみれという事もしょっちゅうでした。
その頃に体感や書籍などからいくつかの事実を知りました。
・アトピーはアレルギー反応の一種(自身の汗などに反応する)
・アレルギー反応は免疫の働きなので自分では制御できない(免疫は身体を守ろうとしているだけ)
・では汗や皮脂を頻繁に取り除き、清潔にしていればよいのではないかと考えるも、これは相当難儀なことです。
・アトピーは「掻かないこと」が唯一、患部を正常な状態にし、かゆみを抑える方法です。
もう20年くらいになりますが、私はアトピーをほぼ克服いたしました。
ここに同じ苦しみを分かつ同胞にその方法を共有したいと思います。
私が使うのは主に2種類の薬剤です、1つは塗り薬、1つは錠剤です。
塗り薬、錠剤共に2種類ずつを使います。
錠剤とは、「抗ヒスタミン剤」です。
「抗ヒスタミン剤」とは免疫の作用を抑制する薬です。
ワタクシは市販薬を2種類使っています。
一つは「レスタミンコーワ糖衣錠」です、これは副反応として眠くなるので寝る前に服用します。
寝ている間に掻くことを防げるようになりました。
もう一つの錠剤は「アレジオン20」です、市販薬の中では効果が高く、副反応が出にくいので、朝出掛ける前に服用します。
ご存知、花粉症の薬として有名ですので、ドラッグストアですぐに手に入れることができます。
現在はこれらを服用することはほぼありませんが、体調によりアトピーが出そうなときはいつでも服用できるように手元に置いています。
基本的に上記の錠剤だけでアトピーを抑え込むことが可能です。
ただし、以下の状態の時には歯が立ちません。
それは、既にアトピーが出ている(私の場合皮膚に水泡が出来ている状態)。
更に既に強いかゆみが出ている状態です。
この場合は免疫が活動を開始していますのでそれを抑え込むのは「抗ヒスタミン剤」では手遅れです。
アレルギー反応とは例えるなら「火」のようなものです。
ワタクシのようなアトピー持ちは症状が出ていない時でもその火はくすぶっているようなものです。
症状が出ている時は本当に体が燃えているような感覚になります。
そして「抗ヒスタミン剤」はいわば「バケツの水」と認識しています。
「火」がくすぶっているような状態なら「バケツの水」でも消火できますが、一旦燃え広がって大きくなると「バケツの水」では消すことは不可能です。
では症状が出ている場合、どうすればよいか?
塗り薬の出番です。
多くのアトピー勢に批判されるかもしれませんが聞いてください。
その塗り薬とはそう、「ステロイド製剤」です。
こちらも2種類を使い分けています。
1つは病院で処方されているような強力なものです。
もう一つはドラッグストアで手に入る弱めの「ステロイド製剤」です。
弱めの方はかゆみがなく、皮膚に水泡が出ている状態のときに使います。
強力な方は、すでにかゆみが出ている時です。
ここでこのお話の「肝」です!
「ステロイド製剤」は漫然と使用すると患部を広げ、症状を悪化させます。
「症状がやんだらすぐに使用を止める」
↑↑↑↑↑↑ メチャクチャ重要です!
これこそが「ステロイド製剤」を使いこなす方法なんです。
「ステロイド製剤」は例えると「銃」のような、一撃で敵を倒す力がある反面、使い方を誤ると自分自身をも傷つける危険を持っています。
辛いかゆみが出てしまったら「ステロイド製剤」の一撃で仕留めて、そのあとは「抗ヒスタミン剤」でその火を押さえつけるのです。
ここで素朴な疑問なのですが、なぜ最初に皮膚科に行った際に一言「症状がやんだらすぐに使用を止めるように」と言ってくれなかったのでしょう?
これまでに複数の皮膚科に行って「ステロイド製剤」を処方されましたが、一度も言われたことがありません。
皆さんは言われたことがおありでしょうか?
いかがでしょうか、ワタクシはこの方法で30年近く(年がバレる)アトピーを封じ込めてきました。
日本に数多いるアトピーに悩む同胞たちよ、ワタクシのこのお話がお役に立てる事を願っております。